初めまして、とある薬学生です。
今回は白血病の新薬「キムリア」についての記事です。中央社会保険医療協議会(中医協)が承認した金額が3349万円となり、国内で保険適用される薬の中では最高額になります。
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①キムリアってどんな薬?
スイスの大手製薬企業、ノバルティスが開発した新薬。
海外では既に使用されており、スイス、アメリカ、カナダ、オーストラリアで製造・販売の承認を得ています。
特に若年層の白血病患者に効果大で、ノバルティスの行った治験では8割に効果があったそうです。
投与は1回のみ。
治療対象は、他の抗がん剤で効果が見られなかったり緩和しなかった場合に限定されるようです。
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②キムリアの値段について
初めに3349万円と聞いた時にどう思いましたか?
キムリアは投与が1回で済みます。ということは、1回で3349万円ということです。
近年、肺がんの治療薬である「オプジーボ」が超高額薬として物議を醸していました。
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オプジーボは継続して使用する薬なので、合計でかかる薬の料金はキムリアより多くの場合高くなります。
高額医療負担制度が適応されるため、患者側が支払う金額は1か月あたりの自己負担額の上限を上回ることはありません。


私は年収500万円なので、キムリアを使用することになると1か月あたり40万円程度の支払いになります。
残りはもちろん税金と社会保険です。保険会社の対応も気になるところです。
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アメリカでは日本円に換算して約5200万円の薬価が制定されており、日本ではいくらになるのか注目されていました。
市場規模は72億円と言われています。
③各国の対応(アメリカとフランス)
・アメリカ=成功報酬制度
アメリカでは薬の効果によって支払いが行われる成功報酬制度が適応されています。
これは非常に理にかなっていると思います。薬価の制定は5200万円と日本よりも高く設定されていますが、実際に支払う金額はこれより少なくなっています。
日本では効果に関係なく使用した時点で保険が適応されるため、薬価を抑えられたようです。
・フランス=負担は0か100
キムリアなどの他と替えの効かない高額医薬品に関してはフランスでは自己負担額は0です。
一方で薬によっては全額負担のものもあるそうです。


日本でも市販薬で代用可能な痛み止めや、制吐薬はこの方式で保険適応を外さないと医療費の圧迫は止まらないと思います!
最後に
高額医薬品による医療費の圧迫は深刻です。新薬の保険適応、しかも白血病の画期的な新薬ですから出来ることなら手放しで喜びたい所です。
そこをグッと我慢して今一度、高額医療について考えることが重要ではないかと思います。
最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。ブログの感想、薬についての質問などあれば、薬学生として知っていることなら知識としてお答えします!DMお待ちしてます!
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参考:日本経済新聞5月15日1面
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